インスリンは、すい臓のランゲルハンス島という組織にあるβ細胞で作られている体内ホルモンのひとつです。

 

インスリンの役割について

 

これは、血糖値を下げる働きを持つ唯一のホルモンと言っても過言ではありません。そもそも人間は、血液中のブドウ糖をエネルギーとして生きるための活動をしています。ブドウ糖は主に、ご飯やパンなどの炭水化物やお菓子やイモ類などの糖分に含まれているものですが、食事からとったブドウ糖が血液中に溶け込んで全身に運ばれることで、筋肉や内臓や脳などのあらゆる機能は維持されているのです。

 

このブドウ糖が「血糖」です。食事の後は、約2〜3時間は血糖値が高くなるので、インスリンの働きが大きな意味を持っています。食事によって血糖値が上がると、すい臓のβ細胞はすぐにインスリンを分泌します。そして、血糖が全身の臓器へと届くと、臓器はインスリンの働きで血糖を取り込み、エネルギーとして利用したり蓄えたりします。

 

また、細胞の増殖やたんぱく質の合成などを促進させる働きがありますし、肝臓や筋肉でグリコーゲンが合成されるのを促進させたり、貯蔵されているグリコーゲンが分解されるのを抑制する働きもあります。そして、脂肪細胞の中でも、ブドウ糖を脂肪に変えたり蓄えられている脂肪が分解されるのを抑制する働きもあります。インスリンはこのような働きによって、血糖値を下げているのです。

 

つまり、インスリンが血液の中のブドウ糖を様々な方法で使用することで減少させ、その結果、血糖値が下がるということなのです。しかし、インスリンが分泌される量が減少したり、分泌されても働きが悪くなってしまうと、血糖が一定の値を超えた高い状態のままで下がらなくなることがあります。これが糖尿病です。

 

近年、日本では糖尿病患者が急増して問題になっています。そのため、糖尿病の治療のために、不足しているインスリンを身体の外から注射で補給することで血糖値を下げるという薬物療法が行われています。